ソルトのルアーフィッシングを代表する人気ターゲットのシーバス。
海や汽水域だけでなく、完全な淡水まで遡上するほど生息範囲が広く、かなり身近な住宅地を流れる流入河川にも潜んでいることがあるほど身近なポイントで狙うことができます。
特に近年盛り上がりを見せているのが、14センチを超えるルアー ビッグベイトを使用したシーバスゲームです。
豪快に水面を割るバイト、不安を抱くほど大きいルアーで釣る快感は、ビッグベイトにしか味わえない感動、興奮、喜びがあります。
パワーを重視してベイトタックルが主流となっておりますが、ロッドの進化によりスピニングタックルでもビッグベイトを扱えるようになりました。
そこで今回は、ビッグベイトにおすすめのスピニングロッドを、選び方や特徴などを踏まえてご紹介させていただきます。
シーバスに適したビッグベイトスピニングロッドの特徴
ビッグベイトは、名前の通りルアー自体が大きい為その分 重くなります。
その為、40g以上をキャストできる強度があるロッドである事がまず必要となります。
また、使用するラインも太くなり最低でPE1.5号〜2号までがメインラインとなり、リーダーも25ポンドや30ポンド、それ以上を使用される方もいらっしゃるほど太めのラインシステムとなります。
その為、糸抜けの良いガイド軽が大きめのロッドがおすすめで、ガイドが小さいロッドでは破損などトラブルに繋がる可能性があります。
ナイトゲームではただ巻きが主体となりますが、デイゲームなどでは積極的にアクションを加えアピールさせるシチュエーションも出てきますので、適度にはりがあるロッドがおすすめです。
シーバスでビッグベイトスピニングロッドを使うメリット
飛距離が出せる
スピニングのメリットはなんと言っても飛距離が出せる事です。
小規模河川や堰など流れが速く、狙うポイントが絞られている場所ではベイトロッドの方が手返しが良いですが、中規模、大規模河川や港のオープンエリアではスピニングの飛距離が活きてきます。
ビッグベイトが特に活躍する落ち鮎シーズンやコノシロパターンなど、フィールドが大きい場所で狙う時に広範囲を探れるスピニングロッドは大きな武器となります。
トラブルがない
スピニングタックルはトラブルが少ない事も非常に大きなメリットです。
ベイトタックルのデメリットは何といってもバックラッシュ、空気抵抗の大きいビッグベイトは風などの影響を受けやすく、悪天候では特にライントラブルに悩まされる方も多いのが実情です。
ビッグベイトはルアー自体の価格も高く、バックラッシュによって高切れしルアーが飛んでいってしまうという悲しい事態も、スピニングタックルならトラブルなく釣りに集中出来ます。
投げ方で対応できる
ロッドに書かれている適応ルアーウェイトよりもビッグベイトが重い場合など、もっとロッドを硬くするという選択肢になると思いますが、投げ方一つで対応できる場合もあります。
適応ルアーウェイト内の場合は、キャスト時のタラシを短めでも問題ありませんが、ルアーウェイトよりも重い場合には、ペンデュラムキャストと言って、タラシを長くロッド全体を使ってキャストする方法で投げるとプラス10グラムほどオーバーしても問題なくキャスト出来ます。
ただし、バックスペースが十分に確保されている場所である事、力まずにキャストする事が重要となります。
バレにくい
ロッドを硬くするとティップ（穂先）からバットまでガッチリとしたロッドになります。
ベイトロッドなどは特に太糸を使う事、重いルアーをキャストすることに優れており、全体的に張りが強いロッドが多くなります。
その為、ファイト時にフックが伸びやすくなる、口切れしてバレてしまう事もあります。
スピニングタックルは、ある程度の硬さは有りますが、ティップが入りロッド全体がしなやかに曲がら為、ロッドが魚の動きに対応し口切れなどによってバレる事も軽減されます。
ベイトロッドに比べてティップも柔らかい為、バイトを弾きにくい事も特徴です。
シーバスでビッグベイトスピニングロッドを使うデメリット
キャスト時に指に負担がかかる
スプールを押さえてキャストするベイトタックルとは違い、スピニングタックルは指にかけキャストする為、指にかかる負担が大きくなります。
キャストする指を保護するアイテムも出ておりますので、そちらを活用されると負担が軽減できます。
ガイド軽に注意が必要
スピニングタックルのメリットは細いラインを使える事ですが、ビッグベイトなど重量のあるルアーを使う際には少し太めのラインを使います。
メインライン、リーダーを太くする事で、キャスト時の糸抜けが変わってきます。
特に小口径のガイドを使用したロッドは注意が必要で、リーダーを巻き込んでキャストするとガイドに引っかかりトラブルの原因となります。
小口径ガイドのロッドを使用する場合は、リーダーを短めに、リーダーを完全に外に出した状態でキャストするようにしましょう。
ビッグベイトを使用する事前提でロッドを購入する際には、太いラインを使用することを視野に入れガイド軽が大きめのロッドを選ぶことでストレスなくビッグベイトゲームを楽しめます。
回収が大変
スピニングタックルは、ベイトタックルに比べて圧倒的に巻き取りが弱いのもデメリットです。
ただでさえバイトの少ないシーバスゲームですが、ビッグベイトを使う事で更にバイト数は減少します。
その為、いかにキャスト数を増やしチャンスを掴むということが重要になります。
狙いのポイントを通過したら回収となる訳ですが、水の抵抗を強く受けるビッグベイトは回収するのにも力がいります。
ベイトタックルならば楽に回収できるところ、スピニングタックルは回収に少し力が必要です。
シーバスに適したビッグベイトスピニングロッドの選び方
硬さ（パワー）
シーバスロッドはメーカーによっても非常に硬さのニュアンスが変わってきますが、メインとなるのはM（ミディアム）からMH（ミディアムヘビー）がおすすめです。
14センチから16センチほどの大きさで40グラムほどのビッグベイトであれば、Mクラスのロッドで大丈夫です。
14センチから18センチほど、60グラムほどのビッグベイトにはMHクラスがおすすめです。
大きい重たいビッグベイトをメインに使用する場合であれば、H（ヘビー）クラスのロッドが必要となりますが、汎用性がなく他の釣り方にはオーバースペックな状況になります。
メーカーによってテイストも変わりますので、Hクラスでも操作性に優れたロッドもあります。
ある程度しなやかで様々なルアーを扱えるパワーを持ったロッドが使いやすくなります。
レングス
スピニングロッドのメリットである飛距離などを考えるとショートロッドよりも、8.5フィートから10フィート未満のロングレングスのロッドがおすすめです。
ショートロッドは、ロッドを曲がるのに力が必要で、遠投する為には毎投力一杯にフルキャストしなければなりません。
必然的に指にも負担が掛かりますし、遠投先のルアーを操作する際にもロングロッドと比べると不利になります。
逆にロングレングスのロッドは、軽い力でも遠投することができ、指へのダメージも軽減できます。
操作性も上がり、ロッドが長いことで魚とのファイト時にロッドがしなやかに曲がり、やり取りもやり易くなります。
遠投が必要のないボートでのビッグベイトゲームには、逆にロングロッドだと取り回しが悪く、ショートロッドの方が使いやすくなります。
シーバス用ビッグベイトスピニングロッドおすすめ10選
ダイワ20 モアザン ブランジーノ EX AGS 94MMH
ダイワのシーバスロッドのハイエンドモデルのモアザンブランジーノ。
軽さ、操作性、感度、強さを全て兼ね備えた人気のロッドです。
軽量で感度の良いAGSガイドは、キャスト時の振り抜けがいいのも特徴です。
MMHという表記は、M（ミディアム）とMH（ミディアムヘビー）のロッド調子を表しています。
ティップは少ししなやかなMクラス、バッドにはパワーのあるMHクラスと異なる調子を組み合わせ、アングラーの思いのまま操作できるロッドとなっています。
天龍SWAT SW922S-M
自社窯を持ち、国内生産で素晴らしいロッドを作り出す老舗ロッドメーカー、天龍のシーバスロッドです。
天龍のロッドは美しい曲がりと、曲がってからの粘り強さが特徴です。
前モデルではしなやかさが強く、重量のあるルアーをキャストしにくい面が有りましたが、現行モデルからは張りがあり非常に気持ちよくキャストできます。
魚をかけてからの曲がりや、パワーはしっかりと継承されており、グリップも短くなった為、取り回しも非常に良く素晴らしいロッドです。
TULALAバリトーノ 80 ストローセッティング
怪魚ハンターからコアなアングラーから高い支持を集めるメーカー、ツララのスピニングロッドです。
こちらのロッドには、ストローガイドセッティングというツララ独自のガイドシステムが搭載されています。
ガイドが増えれば摩擦で飛距離が出ない、とは全く真逆で、ガイド数を多くする事でラインの暴れが軽減し飛距離が伸びると言う今までにない思考のガイドセッティングとなっています。
トラブルもなく飛距離モデルと好評で、流石ツララというパワーのあるロッドは、ビッグベイトもフルキャストできる安心感もあるロッドです。
ヤマガブランクスバリスティック 102MH TZ/NANO
国内ロッドメーカーの中でも非常に人気なヤマガブランクス、自社窯で作られるロッドは品質も抜群です。
ヤマガブランクスならではの素直でシャープな振り抜き、魚をかけてからの粘り強さ、しなやかに曲がるロッドは見事です。
10.2フィートとロングレングスですが、ロッド自体が非常に軽く操作性も素晴らしいです。
全体的に張りが強いロッドがパワー系ロッドには多いですが、こちらのロッドはややマイルドさがあるロッドとなっています。
シマノワールドシャウラ 2833RS-2
シマノのルアーロッドの最高峰シリーズがワールドシャウラです。
魚種解禁でなんでも狙えるフリースタイルロッドですが、専用ロッドのような高次元な使用感があり熱狂的なファンが多いロッドとなります。
パワーや感度にも優れ、ガイドも太糸を使うことを前提に大きいものが付いており飛距離も抜群です。
MAX50グラムまでのルアーウェイトとなっておりますが、かなり控えめな強さと感じるほどパワーのあるロッドです。
アブガルシアソルティステージ プロトタイプ シーバス XSBS-1002MMH
アブガルシアのソルティーステージシリーズがモデルチェンジし、新たなシリーズとしてスタートしたロッドがソルティーステージプロトタイプです。
従来のロッドは98%カーボン、2%グラス素材などの構成でしたが、モデルチェンジした新しいロッドには国産カーボンを100%使い、東レナノアロイなど最新技術で作られたブランクを使用しています。
アブガルシア独自のTAF製法など惜しみなく使い、強く、軽く、値段も手頃に作られたロッドです。
飾りっけのないシンプルなグリップ周り、マットブラックのブランクスなど、外見もかっこいいロッドです。
シマノ23 ディアルーナ S96MH
シマノから出ているシーバスロッドの中でも非常に人気なディアルーナ。
エントリーモデルに近い価格帯ながら、ハイエンドに匹敵するハイコスパなロッドです。
5年の歳月が経ち2023年にモデルチェンジとなりました。
ハイエンドロッドに搭載されていたカーボンモノコックグリップなど最新技術も搭載し、感度、パワーに更に磨きがかかった素晴らしい仕上がりとなっています。
2万円台とは思えない使用感、他の追従を許さないほどのハイコスパなロッドとなります。
アピアGRANDAGE STD. 96MH
人気メーカーアピアから出ているグランデージシリーズ。
中弾性カーボンを使用したロッドですが非常にシャープな使い心地のロッドです。
破綻強度に優れ、極限まで曲がり込む粘り強さで、大物と真っ向から勝負できるパワーを持っています。
中弾性カーボンは、高弾性カーボンに比べ感度面では劣りますが、グランデージシリーズはしっかりとした感度があります。
癖がなく非常に素直なロッドですので、人を選ばず誰でも使いやすい一本です。
シマノ19 スコーピオン 2832RS-2
2019年にデビューしたスコーピオンは、バスロッドの印象が強いですが、シーバスにも最適なフリースタイルロッドです。
今は廃盤となりましたが、とても人気だった青色のワールドシャウラを継承したブランクス、青シャウラよりも進化したグリップ周りを採用した素晴らしいロッドとなります。
現行のワールドシャウラと肩を並べる兄弟的な立ち位置のロッドな為、パワーも感度も抜群、ガイドセッティングまで非常によく似た仕上がりですが、値段は半分程とコスパに優れた一本です。
まとめ
アングラーの心を掴んで離さないシーバスフィッシング。
近年流行のビッグベイトゲームで、また一段とシーバスゲームの新しい扉が開かれたように感じます。
18センチを超える大きいルアーでは釣れる気がしないと思っていた時代から、今では18センチは小さい、ビッグベイトの分野に入らない、などと言う強者まで様々なスタイルでシーバスゲームを楽しめるようになりました。
コンパクトで軽く、パワーのあるリールの進化、艶かしく泳ぐルアーの進化、細糸でも強度のあるPEラインの進化と様々なギアが参加しています。
そして、軽く細くシャープなのに粘り強く、重いルアーをキャストできるロッドの進化により釣りの幅もグンッと広がりました。
是非お気に入りの一本、お気に入りのビッグベイトでメモリアルフィッシュを釣り上げてください。
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